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豐中常文庫 ── 地図でよむ

倭姫命の御巡幸マップ
── 元伊勢を地図でたどる

あなたの住む町の近くを、二千年前に神様の行列が通ったかもしれません。天照大神の鎮まる地を求めて大和の笠縫邑(かさぬいのむら)を発ち、伊賀・近江・美濃・尾張をめぐって伊勢の五十鈴川へ ──『倭姫命世記(やまとひめのみことせいき)』に記されたこの道行きの宮々は「元伊勢」と呼ばれ、いまも各地の神社にその伝承が息づいています。実際の地図の上で、御巡幸の順にたどってみてください。

地図上の番号は御巡幸の順です。印を押すと、宮の名と伝承地が表示されます。比定社(どの神社がその宮にあたるか)には古来諸説があり、本図は代表的な伝承社を掲げました。一つの宮に複数の伝承社がある場合は並べて示しています。

御巡幸の行程 ──『倭姫命世記』より

    元伊勢ではないけれど ── 倭姫宮と伊雜宮

    道行きの主・倭姫命をお祀りする倭姫宮(神宮別宮・三重県伊勢市楠部町)は、大正十二年の御創建で、『倭姫命世記』に出てくる元伊勢ではありません。けれど、この物語を胸に元伊勢をたどる旅の結びに詣でたいお宮として、地図には「姫」の印で併せて載せています。

    もう一宮は、志摩磯部の伊雜宮(いざわのみや)(神宮別宮・遙宮)。五十鈴の宮の御鎮座の後、倭姫命が志摩国を巡られた折に定められ、伊佐波登美神(いさわとみのかみ)が造営したと『倭姫命世記』は伝えます。元伊勢ではありませんが、物語の続きに登場する宮として「雜」の印で載せました。この宮から御鍬(おくわ)が三河へ運ばれた後日譚は、岡崎と伊勢 ── 御鍬祭りと懸税の物語でどうぞ。

    道行きの果てに、倭姫命は五十鈴の川上で神託を受けます ── 「この国に居(を)らむと欲(おも)ふ」。ここではないどこかを探し続けた長い旅が、「ここに居よう」の一言で結ばれる。この物語のあらすじと味わいどころは、倭姫命世記をやさしくでご覧いただけます。塾主が所蔵する出口延佳の直筆校合本の全頁はこちらです。

    この道行きを、三百五十年前の直筆校合本そのままの姿で、塾主とともにたどる ──
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